HERBTEA for MYSELF

美しい日本の四季×体に優しいハーブティーのお話

まさにサンシャイン・サプリメント!セントジョーンズワートで五月病対策

【七十二侯/立夏・次侯】
蚯蚓出(みみずいずる)      5/10~5/14頃

皆さまこんばんは。明日からは七十二侯「蚯蚓出(みみずいずる) 」、土の中で眠っていたミミズが地上に出て来る頃です。あれ、そういえば他の虫たちはもう啓蟄の頃に顔を出しているはずでは……?他の虫たちは春先に目覚めますが、マイペースなミミズは夏から活動を始めます。
ミミズは目がないのですが、光を感知することで暗闇を進む性質を持っています。「目見えず」が転じて「ミミズ」になったと言われています。
ミミズが土の中に掘ったトンネルは植物の成長に必要な空気や水の通り道となります。そして、落ち葉などの有機物を食べて土の中に窒素やリンを含む栄養豊富のフンをしますが、これは=畑に肥料を撒くのと同じです。ミミズによって落ち葉や死がいなどが分解され、栄養豊富な土が出来上がります。ミミズは土を肥やし豊かにしてくれるありがたい存在なのです。ちなみにミミズは英語で「earth worm = 地球の虫」と言います。(今回ばかりはイラストで失礼します……。笑)

 

 

さてゴールデンウイークも終わり、また日常が戻ってきました。この頃になると毎年「五月病」という言葉を耳にします。特に近年はコロナ禍ということもあって、イレギュラーな対応や慣れない環境での生活に気分が鬱々してしまう……という方もいらっしゃるのではないでしょうか?本日はそんな気分を一掃するお手伝いをしてくれるハーブティーをご紹介します。

 

セントジョーンズワート

 

オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草・セントジョーンズワートです。和名はセイヨウオトギリ、近年では日本でも“セントジョーンズワート”の名をサプリなどで名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?セントジョーンズワートの医学的利用はなんと古代ギリシャまでさかのぼります。ネイティブアメリカンも抗炎症剤・収斂剤・消毒剤として使用してきたのだそうです。ちなみに“セントジョーンズワート”とはキリストに洗礼を授けた洗礼者「聖ヨハネ」のことで、聖ヨハネの誕生日とされる6月24日の前後まで花が咲き、伝統的にその日に収穫されたことからその呼び名がついたとされています。

 

 

セントジョーンズワートの欧米での別名は「サンシャイン・サプリメント」。見た目にも鮮やかなイエローの花から付いたのでしょうか?その答えは効能にあります。さっそく見ていきましょう。

 

沈んだ心を明るく照らしてくれる「サンシャイン・サプリメント」

セントジョーンズワートの一番有名な効能が抗うつ作用です。この“うつ症状”の中には季節性感情障害や更年期、更には生理前のうつ症状も含まれます。これは通称・幸せホルモンと呼ばれる脳内のセロトニンの濃度を高めてくれる働きによるもので、ヨーロッパでは、臨床試験により抗うつ薬と同等の効果が得られるという結果もあります。更に人体に与える副作用が少ないと安全性が実証されてきているため、日本でも軽度なうつ病・更年期障害・自律神経失調症などの症状がある方向けにサプリメントとして販売されています。五月病や更年期障害・PMSなどで気分が落ち込んだ時にはサプリメントだけではなく温かいティーで摂取するのもおすすめです。

心地よい眠りに導いてくれる

お休み前に飲用すれば気持ちを落ち着けてスムーズな入眠にも役立つと言われています。ただセントジョーンズワート単体のティーはタンニンを含み渋みがありますので、同じ安眠効果の高いカモミールやラベンダーなどとブレンドすると飲みやすくなりますよ!

身体への鎮痛効果も

抗炎症作用と神経鎮痛作用により、神経痛や筋肉痛の痛みを軽減してくれると言われています。ハーブティーやサプリメントで摂取する以外にも、花をオリーブ油に浸潤させて作る抽出油を外用として使用することでも同様の効果が期待できます。また切り傷・すり傷・やけどをはじめ、筋違いや捻挫などの手当てにも用いることができます。

 

 

 

セントジョーンズワートは飲み合わせに気を付ける薬がいくつかあります。鎮痛剤・抗うつ薬・強心薬、経口避妊薬(ピル)・気管支拡張薬(テオフィリン)・抗てんかん薬・抗HIV薬・血液凝固防止薬(ワーファリン)を服用との併用は医師にご相談ください。また妊娠中・授乳中の方の方も飲用を避けましょう。

五月病に負けないように、ゆっくりと良い夢が見られますように。

次回は2022/5/14(土)22:00頃に更新予定です。