HERBTEA for MYSELF

美しい日本の四季×体に優しいハーブティーのお話

アメリカンジンセングでGW中に心身のクールダウン完了!

【七十二侯/立夏・初侯】
蛙始鳴(かわずはじめてなく)     5/5~5/9頃

皆さまこんばんは。明日からは七十二侯「蛙始鳴(かわずはじめてなく) 」、春先に目覚めた蛙がウォーミングアップを終え、野原や田んぼで元気に鳴き始める頃となりました。野山の若葉も輝いて、本格的な夏が訪れる前の瑞々しい季節です。
蛙は生まれてから別の場所へ移動しても、その後必ずもとの生まれた池に戻ってくることから「帰る=蛙 (かえる)」と呼ばれるようになったと言われています。「無事帰る」「お金が帰る」などにつながることから、古くから縁起が良いとされてきました。

 

 

 

さて人間界では先週からゴールデンウィークに突入し、去年に比べ行動制限も緩くなった地域も多いのでお出かけの予定が入っている方も多いのではないでしょうか?(お出かけの皆さまは”無事帰る”でありますように!)その一方で出かけたいけれど日頃の疲れが蓄積されて連休はゆっっっっっっくり休みたい……という方もいらっしゃいますよね。そんな時はご自愛上等、しっかり休みましょう!ついでにこんなハーブティーで元気になる後押しをしてもらうのはいかがでしょう?

 

アメリカンジンセン(アメリカンジンセング)

 

北アメリカ原産・ウコギ科トチバニンジン属の薬用植物・アメリカンジンセング(アメリカンジンセン)です。根の部分を煎じて飲むこのハーブティーは、生薬としては「花旗参」「西洋人参」「広東人参」などと呼ばれます。見た目や和名でお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、そうです。高麗人参(チョウセンニンジン)と同じウコギ科の多年生植物です。
かつてはアメリカのアパラチア山脈地方や隣接するペンシルベニア州・ニューヨーク州の森林に広く自生していたのですが、大量に採取されたために現在のアメリカではほとんどの地域において稀な存在となってしまたのでそうです。ウィスコンシン州やミネソタ州の遮光下で栽培はされており、植え付けからは3~4年での収穫となります。

 

 

ところでアメリカンジンセンと高麗人参は見た目も含めて似ている部分も多いのですが、違いもあるんです。
まず似ている部分は、なんといっても『どちらもアダプトゲン効果を持っている』ということ。アダプトゲン効果とは“トラウマ、不安、肉体的疲労などのストレスへの抵抗能力を高める働きのある天然のハーブである”と定義されており、他にもこのブログでご紹介したアシュワガンダアマチャヅル、冬虫夏草や甘草(リコリス)などが挙げられます。「アダプトゲンとは通常の用量では無害で、特定の対象のみではないストレスへの防衛反応を作りだし、そして身体を正常化する作用を持っている」という説明をもう少しかみ砕いて言うと、身体の中で標準値よりずれてしまった機能を正常値に戻すのを助けてくれる、と言ったところでしょうか。ちなみにトチバニンジン属の学名“Panax”は、ギリシャ語で万能薬を意味する言葉に由来していると言われています。ここでもアダプトゲン効果を表しているようですね!

 

 

逆に違いの方は、高麗人参が身体を温める作用のある「微温性」であるのに対してアメリカンジンセンはほてった身体をクールダウンしてくれる「涼性」であるというこてです。ということはこれから夏にかけて飲むにはアメリカンジンセンの方が向いているとも言えますね!ではアメリカンジンセンの効能を詳しく見ていきましょう。

 

心も体もクールダウン、ストレス緩和効果

アメリカンジンセンのアダプトゲン効果には身体の様々な免疫機能をサポートし、ストレスの抵抗力をアップさせたり、ストレスそのものを和らげる作用があります。精神的な緊張を和らげてくれる効果があるため、気持ちを落ち着かせたり、興奮状態を鎮めてくれます。即効性はありませんが効果が穏やかで持続性があるため、連休中に飲み続ければ連休明けくらいにちょうど効果が実感できるかもしれません!(なら連休前に書けばよかったなと思っています……)SNSを見てネガティブな感情を抱いてしまったり、対人関係のストレスで疲れてしまった時、本来の自分を取り戻すパワーを与えてくれる、心強いハーブなのです。

 

肉体的な疲労も回復させてくれる

アメリカンジンセンに含まれるサポニンが自律神経のバランスを整えてくれるため、体力の維持や体の機能の正常化が期待できます。また解熱作用があるため、風邪をひいた時の飲用もおすすめです。穏やかな強壮作用があるとも言われているため、病後の回復期にも続けて飲用すると体力低下防止対策になるのでおすすめです。ちなみに解熱作用はほてりやのぼせの解消にも効果があると言われています。体温を下げ疲労回復にも効果があるということは、夏バテシーズンにぴったりのハーブティーですね!

 

女性特有のお悩みにも!

中枢神経抑制作用が報告されているPD系のジンセノシドを多く含んでおり、中枢神経抑制作用・免疫賦活作用・血管拡張作用・運動による筋損傷抑制などの機能性が報告されているほか、更年期症状や月経前症候群の緩和にも効果があると言われています。そのため市場では最近サプリメントなどでの女性層への提案も進んでいるのだそうです。

 

糖尿病やがん予防にも効果あり⁉

研究中の段階ではありますが、2型糖尿病患者を対象にした研究の結果で、糖度の高い飲料を飲んだあとにアメリカンジンセンを服用すると血糖値の上昇が少なかったことから糖尿病予防にも効果が期待されています。またこちらも研究中ではありますが、アメリカンジンセンは抗がん作用があり、腫瘍の増殖を阻害することができると多くの研究結果が出ています。免疫機能活性化作用で直接がん細胞を攻撃するNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させるという報告もあるため、今後の続報に期待したいところですね!

 

 

アメリカンジンセンは作用が強いので妊娠中・授乳中の方の飲用は避けましょう。涼性のハーブのため、身体の冷えが強い方も飲用はやめましょう。糖尿病や高血圧の人は医師に相談の上飲用するようにしましょう。

せっかくのゴールデンウイークなので、各自リフレッシュしてゆっくりと良い夢が見られますように。

次回は2022/5/9(月)22:00頃に更新予定です。