HERBTEA for MYSELF

美しい日本の四季×体に優しいハーブティーのお話

香りで癒され実でリセット!クチナシで梅雨の時期もリフレッシュ

【七十二侯/芒種・末侯】
梅子黄(うめのみきばむ)    6/16~6/20頃

皆さまこんばんは。明日からは七十二侯「梅子黄(うめのみきばむ)」、青々と大きく実った梅の実が、黄色く色付き始める頃です。“梅の実が熟す頃の雨” ということから「梅雨」になったとも言われ、梅雨時である陰暦5月を「梅の色月」と美しく言い表した言葉も残っているそうです。折しも関東では先週梅雨入りが発表されました。

 

いよいよジメジメシーズンの到来ですが、梅と言えばそろそろ梅干しの仕込みをする“梅仕事シーズン”の到来でもあります。身体の免疫力が落ちるこの時期にクエン酸が豊富で疲労回復・食欲増進の作用がある梅干しは古くから重宝されてきました。それだけでなく殺菌作用も強いので、食中毒の予防にも役立ちます。お弁当などには欠かせない食材ですよね!ちなみに梅干し用の梅の実は熟して黄色くなった頃のもの、まだ青いうちの実は梅酒にするのがおすすめです。
本日ご紹介するのは熟した梅の実のように、いえもっと鮮やかな黄色い色素を持つこちらのハーブティーです!

 

クチナシ

 

アカネ科クチナシ属の低木・クチナシです。和名クチナシの語源には諸説あります。果実が熟しても裂開しないため、“口がない実”の意味から「口無し」という説、また上部に残る萼を口(クチ)、細かい種子のある果実を梨(ナシ)とし、クチのある梨の意味であるとする説などです。他にはクチナワナシ(クチナワ=ヘビ、ナシ=果実のなる木)=ヘビくらいしか食べない果実をつける木という意味からクチナシに変化したという説などもあるそうです。
別名ガーデニアともよばれるクチナシですが、花にはジャスミンに似た強い芳香があり、学名の種名 jasminoides は「ジャスミンのような」という意味があります。花の咲く季節は初夏、6~7月です。そろそろ夏の気配を感じ始めた頃にクチナシの花は辺りいっぱいにその香りを漂わせます。ジンチョウゲやキンモクセイと並んで「三大香木」と呼ばれているのも頷けますね!クチナシの花びらはキズが付きやすく、さらに花は非常に短命なので切り花には向いていません。それでも初夏のウェディングでクチナシのブーケを持ちたいという花嫁さんが多いのは、クチナシの花の儚さと香りの魅力ではないでしょうか?

 

 

そして白い花の後には濃いオレンジ色の“口がない実”を付けます。このクチナシの実を乾燥させたものは漢方でも「山梔子(さんしし)」として利用されています。サフランと同じく水溶性の黄色い色素・クロシンを含むため、料理の色付けなどにも使われます。栗きんとんや栗の甘露煮は一緒にクチナシの実を入れることで鮮やかな黄色に染まるのです。
そしてハーブティーも乾燥させた果実を煎じたもので、漢方になるくらいですのでもちろん様々な効能があります。ではクチナシのハーブティーとしての効能を見ていきましょう!

 

鮮やかな色だけじゃない!

鮮やかな黄色の色素・クロシンは天然カロチノイドです。クロシンの働きにより記憶力の向上・大脳がしっかり休息できることによるノンレム睡眠の増加・がん予防効果が期待できます。またクロシンと同じく天然カロチノイドの一種・クロセチンの働きには目のコリをほぐして眼精疲労を緩和する・血の巡りを良くして肩こりを和らげるという効果があると言われています。

 

血圧を下げるのにもお役立ち

クロシンには血圧を下げる働きがあるため、上昇した血圧を正常に戻す効果も期待できます。鮮やかなイエローには色付けだけでなく様々な恩恵があるのです。

 

抗炎症成分も入ってます

イリドイド配糖体のゲニポシドの働きで抗炎症作用による身体の炎症トラブルの緩和・胆汁の分泌促進・脂肪の消化吸収や老廃物排出を円滑にする効果が期待できます。また肝炎や黄疸の改善・鎮静作用による不眠症改善なども有効と言われています。

 

 

クチナシティーには血圧を下げる効果があるため、元々血圧が低めの方は飲用量に注意しましょう。
さて今回で二十四節気の“夏”の半分が経過いたしました!は、早い……。次回はいよいよ1年で一番昼が長いとされるあの二十四節気です。お楽しみに!

クチナシの花のように、甘くて良い夢が見られますように。

次回は2022/6/18(土)22:00頃にに更新予定です。