タラノキの新芽は春の味・そしてお茶は天然の糖尿病の薬!
【七十二侯/雨水・末侯】
草木萠動(そうもくめばえいずる) 3/1~3/4頃
皆さまこんばんは。明日からは七十二侯「草木萠動(そうもくめばえいずる)」、次第に和らぐ陽光の下で草木が芽吹きだす頃となりました。
陰暦の2月は「木の芽月」とも呼ばれますが、”木の芽”とは春になって芽吹く木々の芽のことです。この時期に降る雨は「木の芽雨」「木の芽起こし」、吹く風は「木の芽風」と呼ばれます。
木の芽雨が降るごとに植物が少しづつ成長し、春が近づいてくるのを感じられる季節。この時期になると瑞々しい菜の花や新キャベツなどの葉物野菜が無性に食べたくなるのですが(菜の花は某県民性かと思われます 笑 )、このハーブの新芽もそろそろ大きくなってきている頃でしょうか。
タラノキ
日本や東アジアを原産のウコギ科の落葉低木・タラノキです。名前の由来は諸説ありますが、同じウコギ科の山菜・ウドのことを朝鮮語名の語源で「ツチタラ」と呼ぶことが転じて、ウドに似た木=タラノキとなったらしいです。
林道脇や日当たりのよい山野に生えるタラノキは生育環境にもよりますが1年で20~60センチ、5年で3メートルに達することも珍しくないという、非常によく育つ植物です。(「タラノキ」で検索したところ「タラノキ 増えすぎ」という予測が出てくるほどでした。笑)
ただどちらかというとタラノキの新芽・タラの芽の方が山菜としてメジャーですよね。ほのかな苦みともっちりとした食感、天ぷらやごま和えにすると舌でも春を感じられる食材として”山のバター””山菜の王様”などと呼ばれます。現在はハウス栽培も盛んなため1年中食べられると言えば食べられるのですが、天然物の旬はちょうどこれから。ちなみにタラノキは雌雄同株なのですが、トゲが多いものをオダラ・トゲが少ないものをメダラと呼び、メダラを食用に栽培することが多いのだそうです。
お茶にするのは樹皮や葉を乾燥させたものですが、その効能を見ていきましょう。
苦み成分に様々な薬効が!
タラノキに含まれる苦み成分・サポニンは胃で代謝吸収されず腸で多用な薬理効果を発揮します。その代表格が「血糖値の上昇を防ぐ」というもの。胃から腸への糖分の移動を妨げ小腸でのグルコース(ブドウ糖)の吸収を阻害することにより、食後の急激な血糖値の上昇を抑えてくれるのです。
また胃の排出能力を弱めて腸の蠕動運動を活発にすることから、食欲の抑制効果・便秘の解消にも効果が期待でき、ダイエットにも繋がるとされています。更に脂肪消化酵素(リパーゼ)への働きかけにより脂肪の吸収を抑制する効果があるとされ、こちらもダイエット効果を期待できます。
ちなみにサポニンには身体のサビを防ぐ作用も確認されているので、健康で若々しい身体を保つのにも効果的です!
抗酸化作用の高いポリフェノールも含有
タラノキには強力な抗酸化作用を持つポリフェノールが含まれているため、血流の改善効果により血管内に血栓ができるのを防いで動脈硬化や心血管疾患の予防にも役立ちます。血管まで若々しく保てるのは嬉しいですよね!
食物繊維で腸内環境の改善にも
更に食物繊維も含まれるので腸内環境の改善にもお役立ち。過剰な脂質や糖質の吸収を抑制してくれるので、血液中の中性脂肪を減らす効果も期待できます。
タラノキティーは糖の吸収を妨げる効果があるので、血糖値を下げる薬を飲んでいる方や普段から低血糖の方は医師に相談してください。またサポニンには身体を温める作用があるとされるので、発熱中の方やのぼせやすい方は飲用を避けましょう。
明日の朝はフレッシュなグリーンのようにすっきり目覚められるよう、ゆっくりと良い夢が見られますように。
次回は2022/3/2(水)22:00頃に更新予定です。