HERBTEA for MYSELF

美しい日本の四季×体に優しいハーブティーのお話

ほうれん草より高栄養価・ツルナは意外と健康食材⁉

【七十二侯/啓蟄・末侯】
菜虫化蝶(なむしちょうとなる)    3/15~3/19頃

皆さまこんばんは。明日からは七十二侯「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」、長く厳しい冬を越したさなぎが羽化し、美しい蝶となって飛び交い始める頃です。”菜虫”というのは大根や蕪・菜の花の葉を食べる害虫のことで、一般的にはモンシロチョウの幼虫のことを指すそうです。
畑を荒らして害虫と呼ばれていた幼虫ですが、じっと寒さに耐えて冬を越し美しい姿で飛び回るさまはまさに春を象徴する光景ですね!

昔の人は蝶のことを「夢虫」や「夢見鳥」と呼んでいましたが、その由来は荘子の説話『胡蝶の夢』なのだそうです。”蝶になる夢を見たけれど、実は本当の私は蝶で人間になっている夢を見ているだけではないか”というお話ですが、今も昔も蝶は幻想的なイメージを持たれていたのですね。そして本日は”菜”の付く和ハーブティーをご紹介します。

 

 

ツルナ(蔓菜)

 

ハマミズナ科ツルナ属の多年草・ツルナ(蔓菜)です。日本では北海道~沖縄まで広く分布しており、ハマホウレンソウ・ハマヂシャ(浜萵苣)・ハマナなどとも呼ばれています。ニュージーランドのマオリ人が食べていたことから「ニュージーランドのほうれん草(New Zealand spinach)」とも呼ばれるそうです。たしかにほうれん草のようにも見えますが、ツルナの方が葉が肉厚なのが特徴です。
食用にする地域・しない地域がありますが、肉厚で柔らかい若芽や葉はお浸し・炒め物・汁物など何にでも合うのだとか。主に沖縄で食されているようです。食用にしない地域でも昔から民間医療の中で生薬として使われることも多かったそうです。

 

 

実はこのツルナ、似ているとされているほうれん草よりも栄養価が高いのだそうです。そのため近年では健康食材として見直されているのだとか。食べるのが一番ダイレクトな摂取方法ではありますが、ツルナティーは全草を乾燥させ煎じて飲用するので無理なく毎日続けて摂取するならハーブティーもおすすめです!ではツルナティーの効能を見ていきましょう。

 

胃腸の不調全般に効果あり!

ツルナが民間療法に使われてきたのは健胃効果が優れているからで、これは含まれているβカロテンがビタミンAの前駆体であることから体内でビタミンAとして働き、胃腸をはじめとする粘膜系の修復に効果があるためとされています。
また含まれている粘液質(多糖類)が胃の粘膜を補強することで、胃酸から胃粘膜を保護する働きも期待できます。更に消炎・鎮痛作用があるされており、胃炎や腸炎など胃腸の炎症・痛みの軽減にも役立つと言われています。胃腸の状態が良くなり働きが高まることで、胸焼けや消化不良などの軽減にも効果が期待できるのです。

 

食物繊維でスッキリお通じにも

ツルナティーには比較的食物繊維が多く含まれるため、腸内環境を整え蠕動運動を促してくれる効果が期待できます。と言っても強い緩下作用を持つ成分などは含まれていないため、劇的な効果こそ実感しにくいものの副作用の心配も少ないと言われています。

 

美容効果もあり!肌トラブルの予防・緩和に

ツルナティーにはβカロテン・皮膚の再生維持に必要とされるビタミンB群が多く含まれているため、乾燥肌や肌荒れ・ニキビの予防効果が期待できます。
また胃腸の働きを整えてくれるので皮膚の新陳代謝アップ効果も期待でき、起こってしまった肌トラブルの改善促進にもつながると言われています。

 

 

 

ツルナティーは通常量の摂取においては禁忌がないお茶なので、妊娠中の方・授乳中の方・お子様も安心して召し上がれます。
味・香り共に薄めなのでブレンドすると飲みやすくなります。このブログで紹介した中だとローズヒップティーとブレンドすると美肌・アンチエイジング・便秘の解消に効果のあるブレンドティーになりますよ!

胃腸を健康に整えて、ゆっくりと良い夢が見られますように。

次回は2022/3/17(木)22:00頃に更新予定です。