HERBTEA for MYSELF

美しい日本の四季×体に優しいハーブティーのお話

ハートを守る赤い果実・ホーソンベリーでハートのメンテナンス

【七十二侯/立冬・初侯】
山茶始開(つばきはじめてひらく)  11/7~11/11頃

皆さまこんばんは。明日からは七十二侯「山茶始開(つばきはじめてひらく)」、“つばき”という読みですが、山茶花 (さざんか) の花が咲き始める頃を指します。山茶花とは「山に生え花を咲かせる茶の木」ということで、その昔葉の部分をお茶として飲んでいたことに由来するのだそうです。椿もよく似た花を咲かせますが、この時期に咲くのが山茶花で、「木へんに春」の椿は12~4月頃に花を咲かせます。また、山茶花は花びらが1枚ずつ散るのに対し、椿は花ごとぽとりと落ちるのが特徴です。

 

 


冬が深まりだんだん色彩が落ち着いていく中で咲く赤い花はとても可憐で風情があるものです。そのため寺院や茶室の庭木としても好まれる花でもあります。なんとなくですが、冬になると赤い実が付いた枝ものを活けたくなるのですが、本能的に冬枯れの中に映える赤い色を欲しているのかもしれないなぁ、と思ったりしました(私の場合は単にクリスマスのイメージ!というだけだったりもしますが)。そこで本日は赤い実を付けるこちらのハーブティーをご紹介します。

 

 

ホーソンベリー

 

バラ科サンザシ属の落葉低木・ホーソンベリーです。和名では「セイヨウサンザシ」と呼ばれています。実はこのセイヨウサンザシにはいろいろな逸話があります。1つは『キリストが処刑された時の荊冠(イバラの冠)がセイヨウサンザシであった』というもの。キリストの血によって清められたとされ、中世ヨーロッパでは厄除けの木といわれるようになりました。もう1つは1620年にイギリスからアメリカに渡航したメイフラワー号に航海の無事を祈ってセイヨウサンザシが描かれていたことから、アメリカでは「メイフラワー」と呼ばれるようになったのだそうです。実際に5月に白色または薄紅色の花を枝先につけ、秋に10〜12mmほどの赤い実をつけます。この実をホーソンベリーと呼び、ハーブティーとして飲用します。ではこの真っ赤な実の持つ優れた効能をさっそく見ていきましょう。

 

 

真っ赤な実は「心臓のためのハーブ」!

ホーソンベリーはすぐれた強心作用を持つ「心臓のためのハーブ」として知られています。オリゴメリックプロアントシアニジン(OPC)が弱った血管を直して、血管の壁を丈夫にする効果を持ち、ヒペオシド・ヒデキシン・ルチンと言ったフラボノイド配糖体には血管強化作用があるとされているのです。心筋を強化し、心臓の働きを高めてくれる・動脈硬化の防止・抗血液凝固作用による血行の改善や高血圧の予防効果という何とも頼もしい効能を持つハーブなのです!

 

抗酸化作用による美容・健康効果も

抗酸化作用による老化予防効果やビタミンCの吸収を助けて肌の老化を防ぐ作用があると言われています。渋み成分タンニンも含まれているので、タンニンの抗酸化作用と合わせてWの効果に期待できます。

 

デトックス効果にも期待できる

ホーソンベリーには利尿作用があり、体内の余分な水分や塩分を排出してむくみを解消してくれます。また消化不良にも効果があると言われ、消化をサポートしてくれると言われています。

 

 

基本的に禁忌の少ないお茶ですが、妊娠中・授乳中・お子様の飲用は避け、適量を摂取するようにしましょう。また高血圧の薬や心臓病の薬を飲んでいる人も飲用を控えるようにしましょう。

赤い果実でハートもしっかりメンテナンスして、ゆっくりと良い夢が見られますように。

次回は2022/11/11(金)22:00頃に更新予定です。