HERBTEA for MYSELF

美しい日本の四季×体に優しいハーブティーのお話

アンジェリカルートで冷房病もしっかり対策!

【七十二侯/大暑・次侯】
土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)    7/28~8/1頃

皆さまこんばんは。明日からは七十二侯「土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)」、熱気がまとわりつくような蒸し暑い頃です。今年は梅雨明けが早かった割に7月に入ってから戻り梅雨のような雨が続き、湿度の高さで蒸し暑さを感じる日も多いですよね。よく晴れた日ですらカラっと……とはいかずムシムシとした気候に加え、コロナ対策のマスクまでしているのに合わせて熱中症対策も強いられるという、一種の苦行のような夏、皆さまいかがお過ごしでしょうか?私ははもっぱら水分に加え塩分も摂らないと!と塩分補給のタブレットを舐めながら生きています。塩レモン味のやつが好きです。
そういえば最近やっとセミが鳴くのを聞きました!ようやく夏らしい夏が始まった気がします。梅雨明けが早くてもセミの鳴き声は例年通り。セミにも体内時計のようなものがあるのでしょうか?興味深いですねぇ……。


 

それにしてもこうも暑いとクーラーの中で過ごすのが当たり前みたいになりがちですよね。その結果無駄に指先が冷えてしまい、今度は靴下を履いて調節……ちょっと暖かいものでも飲もうかしら……→暑くなる→\適温がない!/という謎のスパイラルにはまったり……。特に女性はクーラーでの冷え性、いわゆる冷房病でお悩みの方も多いのではないでしょうか?本日はそんな時におすすめのハーブティーをご紹介いたします。

 

 

 

アンジェリカルート

 

シベリアを原産とするセリ科 シシウド属の二年草・アンジェリカルートです。和名は「セイヨウトウキ(西洋当帰)」と呼ばれ、ハーブティーに使われるのは“ルート(root)”=根および葉の部分です。薬草で中毒になる可能性は少ないと言われていますが、アンジェリカルートが属するセリ科の中には有毒成分を含むものもあるため、自生しているものを採取する時は気を付けなければなりません(市販されているものならその危険性がないのでご安心ください)。

 

 

学名でもある“アンジェリカ”は「Angelica」、ラテン語の「天使」が由来しています。そのためヨーロッパでは古くから「天使のハーブ」と呼ばれ、更にその根は「精霊の宿る根」とされ教会などの神聖な場所で栽培され、利用されてきました。中世の頃に何度も大流行した感染症・ペスト菌に対して大いに役立ったことなどから、この植物の治癒力を讃えて呼ばれるようになったとも言われています。“魔法のハーブ”として葉で作った首飾りを子供の首にかけ、病気や魔力から守るためのお守りにしたのだそうです。そのためセントジョーンズワートと並び、修道院医学の中心ハーブも1つでした。そんな天使のハーブのハーブティーとしての効能をさっそく見ていきましょう。

 

冷房病対策にもってこい

アンジェリカルートティーは血行促進作用により体を温める働きや発汗作用があるため、冷え性の改善に有効だと言われています。クーラーで冷えすぎてしまった時に飲むにはちょうどいいですね!また利尿の作用により体内の毒素を排出しますので、風邪のときなどにも有効です。

 

天使のハーブは女性に優しい

アンジェリカルートティーは女性ホルモンのエストロゲンが作られるのを助ける効果がありホルモンバランスの調整に繋がることから、更年期障害やPMS(月経前症候群)の症状を緩和効果が期待できます。また鎮静作用があるので、苛立っている心を鎮め、副交感神経を優位にする=リラックス効果もあると言われています。

 

胃腸の不調も改善できる

アンジェリカルートティーには胃液や胆汁の分泌を促進させる作用もあり、食欲不振や消化不良・胸焼け・吐き気など胃腸のトラブルにも有効です。他にも去痰作用があるため、喘息や気管支炎などによって溜まった痰を取り除く効果もあると言われています。

 

 

アンジェリカルートティーは女性ホルモンの分泌に作用し生理を誘発することがあるので、妊娠中の方は飲用を避けましょう。また光過敏性を増加させるフラノクマリンが含まれているため、飲んだ後に日光に当たりすぎることは避けましょう。その他血液を固まりにくくさせる抗凝固薬(ワルファリンなど)を服用中の方・糖尿病の方も飲用は避けるようにしましょう。

熱中症対策だけでなく冷房病対策もしっかりして、ゆっくりと良い夢が見られますように。

次回は2022/8/1(月)22:00頃にに更新予定です。