アルファルファでジメジメシーズンもデトックス&元気チャージ!
【七十二侯/芒種・初侯】
蟷螂生(かまきりしょうず) 6/5~6/9頃
皆さまこんばんは。明日からは七十二侯「蟷螂生(かまきりしょうず)」、秋に産み付けられた卵からカマキリが生まれる頃です。スポンジ状の卵から孵るのは約200匹、そのうち成虫になれるのはわずかに2~3匹なのだそうです……自然の世界は厳しいですね。
カマキリは害虫を駆除してくれる益虫として知られています。肉食性が強いため、食べるのは生きている虫に限られ死んで動かないものは食べないそうです。選ばれし成虫は生命力が違いますね……!一方で人間界ではそろそろ梅雨入りかしら、という時期になり、温度も湿度も上がってきたり日によって天気も全然安定しなかったりで、何かと体調管理が大変になってくる季節です。疲れが溜まったり雨で外出できなくて家にいる時間が長くなり、足がむくみがちになったりしていませんか?
本日はそんなお悩みを解消してくれるこちらのハーブティーをご紹介いたします。
アルファルファ
中央アジア原産のマメ科ウマゴヤシ属の多年草・アルファルファです。和名は“ムラサキウマゴヤシ”、その名の通り牧草として利用されるほか、スプラウト(発芽直後の植物の新芽)をサラダなどで食用にして利用します。日本にも江戸時代に伝わったものの土壌の関係などから定着せず、明治時代に北海道に牧草として導入されてから本格的な栽培が行われるようになりました。現在アルファルファはほぼ世界中で栽培されていますが、人間用の食材としてではなく飼料用としての利用が主体です。タンパク質が豊富なことから特に乳牛向けの飼料として利用される事が多いようですが、特に牛が好んで食べる草というわけではないそう。そのほか原産地付近のアラブでは競走馬の足を速くするために与えることもあるのだとか。和名が“馬肥やし”なのも「馬に食べさせることで成長がよくなり馬が肥える草」ということが由来だと言われています。栄養豊富なためウサギの餌や犬猫用ハーブサプリメントなどペット用品にも利用されています。
栄養豊富なのはもちろんですが、アルファルファが牧草として利用されているのには他にも理由があります。まず多年生植物であり一年に大体3~5回、多い地域であれば10回も収穫することができること。種子が非常に小さくたくさんの種を蒔くことが出来るため収穫効率が極めて高いということ。その他にアルファルファの根は土の深くまで張り、窒素を土壌にかえす働きもあるため、やせた土地を肥やすためにも使われます。アルファルファというと小さく細い印象が強いですが、成長すると地上部だけで1m程度、根は5~10mになるそうです。
ちなみにスプラウトは生育方法によってモヤシ系とカイワレ系に分類され、アルファルファスプラウトはモヤシ系の中で一番小さく「糸モヤシ」とも呼ばれます。スーパーなどで並んでいるのを見たことがある方も多いかもしれませんね!逆にハーブティーとして飲用するアルファルファの方がなじみが薄い気もしますが、茎・葉・花など、全体を乾燥させたものをハーブティーとして飲用します。実はとても古くから存在していたと言われ、紀元前4000年前後のペルシャの遺跡で葉が発見され、紀元前1300年頃のトルコの書物に記録が残っているというから驚きです。アルファルファという名前は「最高のたべもの」というペルシャ語がアラビア語に変化したもので、「FATHER ALL FOOD」、すべての食物の父とも呼ばれているのだそうです。
では古くから利用されてきたアルファルファのハーブティーとしての効能を見ていきましょう。
馬も驚く疲労回復効果
アルファルファは地中に長く張り巡らされた根を持つため土壌のミネラルを多く吸収し、ミネラル・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄・カリウムなどの栄養素をふんだんに蓄えます。さらに、ビタミンA・ビタミンB群・ビタミンKをはじめとしたビタミンも補給できます。また、8種類の必須アミノ酸を含んでいるため、疲労回復効果が高いと言われています。
コレステロール値を下げる効果も
アルファルファには葉緑素(クロロフィル)が多く含まれてます。血中コレステロール値が高くなると、血管壁にコレステロールが付着して血液の流れが悪くなります。このような状態が続くと、動脈硬化に進行する場合があり、心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる病気のリスクが高まります。葉緑素には食事からのコレステロール吸収を抑制し、血栓の予防や血圧を下げる作用があると言われており、葉緑素の摂取によりコレステロール値が下がると血液がサラサラになり血行が促進されるため、循環器系疾患予防に効果が期待できます。
また、葉緑素がコレステロール値を下げ血中脂質の正常化に働くことが研究されており、効果が期待されています。
巡りを良くしてすっきりデトックス!
葉緑素には食事からのコレステロール吸収を抑える働きのほかに、腸内の老廃物を吸着して体外に排出する働きがあります。葉緑素は消化吸収されずに小腸・大腸を経由して排泄される仕組みになっているため、ダイオキシン・有害ミネラルのカドミウムや鉛などの物質も除去してくれる効果が期待できます。またダイオキシンの除去効果も報告されており、デトックス効果が期待されているのです。
またアルファルファには食物繊維が多く含まれており、腸内で水分を取り込み膨張し腸を刺激することで、便秘を改善する働きがあります。便秘が改善された結果、老廃物がすみやかに体外へ排出されるため、美肌やダイエットにも効果的であるといわれています。
その他にもビタミン類・カルシウム・マグネシウムが豊富に含まれていることから、骨粗しょう症の予防に効果が期待されています。
大量に摂取すると、カナバニンという物質の毒性が問題となります。カナバニンは必須アミノ酸のアルギニンと構造が似ているため細胞にアルギニンと取り違えられて吸収されますが、アルギニンのように働かないため毒となります。そのため、カナバニンを大量に飲みすぎるのを避けるため、適量を飲用するようにしましょう。
また、全身性エリテマトーデスの方・リウマチなど自己免疫疾患の方は症状が悪化するので、アルファルファの摂取は禁忌とされています。
しっかり疲労回復・エネルギーチャージをして、ゆっくりと良い夢が見られますように。
次回は2022/6/9(木)22:00頃に更新予定です。