HERBTEA for MYSELF

美しい日本の四季×体に優しいハーブティーのお話

これで気圧の変化にも負けない!天然のアスピリン・ホワイトウィロウ

【七十二侯/春分・末侯】
雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)     3/30~4/3頃

皆さまこんばんは。明日からは七十二侯「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」、初雷が鳴りだす頃となりました。昔はこの雷が恵みの雨が降る兆しとして喜ばれていたのだそうです。そういえば10日ほど前に雷が鳴ったのを思い出しました。3月に入って暖かい日が増えたなぁと思っていたら数日間急に寒の戻りのように寒い日が続いた最中のことでした(今考えると正に寒冷前線の通過に伴う雷だったようです)。2~3回鳴ってすぐ止んでしまいましたが、ちょうど七十二侯の頃と合致していて、昔も今も季節は同じように繰り返すのだなぁとちょっと感動してしまいました。

たしかに恵みの雨の前兆ではありますが、天候が急変する時や低気圧が近づいてきた時に頭痛に悩まされたりする方もいらっしゃいますよね。実は私もその1人なのです。天気が悪くなる前に頭痛が起こるので、梅雨や台風シーズンは憂鬱な日々……本日はそんな頭痛持ちの方におすすめしたいハーブティーをご紹介します。

 

ホワイトウィロウ

 

学名はサリックス・アルバ、別名をセイヨウシロヤナギ。ヤナギ科の落葉樹・ホワイトウィロウです。実はこのホワイトウィロウはある薬の開発の基となったことで有名なのですが、ご存じでしょうか?

 

 

解熱鎮痛薬でおなじみ、アスピリンです。このアスピリンこと「アセチルサリチル酸」ですが、この”サリチル酸”こそが”サリックス”、つまりホワイトウィロウから分離された成分なのだそうです。実はその起源は古く、紀元前400年頃には「ヒポクラテスはヤナギの樹皮を熱や痛みを軽減するために用い、葉を分娩時の痛みを和らげるために使用していた」という記録があったとか。
そして19世紀に入りホワイトウィロウから有効成分サリシンが分離され、鎮痛剤として使用されるようになりました(サリシンが体内で代謝されたものがサリチル酸です)。しかしサリシン(サリチル酸)には苦みが強い・胃腸障害などの副作用がありました。そこで開発されたのが副作用の少ないアセチルサリチル酸・すなわちアスピリンだったのだそうです。

現在ではホワイトウィロウは薬用ではなくハーブティーやサプリで飲用・使用されるという位置づけとなりましたが様々な効能は健在です。ではホワイトウィロウティーの効能を見ていきましょう。

 

痛みや炎症に効く!まさに天然のアスピリン

ホワイトウィロウに含まれるサリシンは体内でサリチル酸となり痛みを軽減する働きをします。体の各部位の痛みを検知して知らせてくれるプロスタグランジンの生成を抑え、痛みを知らせないようにしてくれるためです。またサリシンには抗炎症作用があり、アトピー性皮膚炎のかゆみを軽減する働きもあるのだそうです。

 

もちろん解熱効果も健在

更にサリシンには解熱効果があるとされています。発熱はウイルスなどの有害物質が体内に侵入してきた際に、視床下部の体温調節中枢は身体各部に体温を上げるように出す指令にもとづいて、皮膚の血管が収縮し汗腺を閉じるなど熱放散を抑える活動により発生します。また筋肉を震えさせることでも熱産生を促します。これらの活動により体温は上昇し、体が身を守るための生体防御機能のひとつとされているのです。
体内で生成されたサリチル酸は発熱に関わるとされるプロスタグランジンE2の産生を抑え、平熱まで体温を下げる働きがあると言われています。

 

口には苦くても抗酸化作用もばっちり!

渋み成分・タンニンが含まれているため、抗酸化作用により老化予防・下痢の緩和や改善、予防・殺菌消臭作用による虫歯や口臭などの防止効果などが期待できます。更にカテキンも含まれているため、血中コレステロールの抑制・動脈硬化の予防・血糖値上層の抑制・抗ウイルス作用、殺菌作用による胃潰瘍予防や食中毒予防などの効果もあると言われています。

 

その他にも関節痛の症状を緩和する・腰痛を改善するなどの効能があるとされています。

 

 

 

ホワイトウィロウティーはアスピリンの様な効能を持つため、アスピリンにアレルギーがある方は飲用を避けましょう。またノンカフェインですが安全性の確認が取れていないため妊娠中の方・授乳中の方も飲用を避けてください。
ホワイトウィロウティーは多少苦みがあります。同じ鎮痛効果を持ち甘い香りのカモミールなどのお茶とブレンドすると飲みやすくなりますよ!

 

気圧の変化や痛みに負けず、ゆっくりと良い夢が見られますように。

次回は2022/3/31(木)22:00頃に更新予定です。