HERBTEA for MYSELF

美しい日本の四季×体に優しいハーブティーのお話

お菓子作り以外にも使いたい!最古のスパイス・シナモン

【七十二侯/冬至・次侯】
麋角解(さわしかつのおつる) 12/26~12/30頃

皆さまこんばんは。12/26からは七十二侯「麋角解(さわしかつのおつる)」です。オスの鹿の角は年に一度この時期に生え変わるためにぽろっと落ち、春になるとまた新しく生え変わります。生え始めは柔らかい角ですが、秋頃から内部から骨のように固くなってゆき、落ちる頃には木の枝のような立派な角になるのだそうです。ちなみに「麋」とはナレシカというトナカイの一種の大鹿、またはヘラジカのことを指します。

トナカイといえば今日はクリスマス(あと2時間ですが)、トナカイも大忙しの日ですね!クリスマスといえば何となくこのスパイスが入ったお菓子を思い出すのですが、皆様はいかがでしょうか?

シナモン

 

シナモンクッキーやシナモンロール、アップルパイなどのお菓子に使われるため製菓材料のイメージが強いシナモンですが、ハーブティーとして飲用することもできる上に様々な効能を持つスパイスなんです。

コショウ・クローブと並ぶ世界3大スパイスとされ、古くは紀元前2000年以上前にエジプトからシナモンを求めて航海に出たという記録もあるのだそうです!(どうやら用途はミイラの防腐剤用だったとか……)シナモンにはスリランカなどの熱帯地方原産のセイロンシナモン・中国やインドシナ原産のカシアなどという種類があります。セイロンシナモンは上品で優しくほのかに甘い香りが特徴でカプチーノなどに添えられている薄巻きのもの、カシアはセイロンシナモンよりやや強めな香りが特徴でやや厚みがあります。一般的にスーパーなどで出回っているのはカシアの方です。

 

毛細血管の修復を促し血行促進にも役立つ

シナモンに含まれるシンナムアルデヒドが毛細血管の細胞を密着させる受容体を活性化させるため、加齢や喫煙などで傷ついた毛細血管の修復を促す作用があります。それが血流の促進に繋がるので、冷え性の改善や冷えから来る肩こり・関節痛・腹痛・下痢・月経痛などの緩和にも効果があります。美容効果としてはお肌のしわ・たるみの予防や目の周りのクマ・くすみの防止、髪の乾燥や骨密度の減少も防止してくれることが期待できます。

 

冬に嬉しい風邪予防効果・健胃効果も

発汗・解熱作用があるため、風邪の予防や初期症状に効果が期待できます。風邪のひきはじめの特効薬として知られる葛根湯や桂枝湯にも使われています。また食欲不振や、胃腸のもたれ・胃の痛みなどを改善してくれる芳香性健胃薬としての作用があり、多くの胃腸薬に配合されています。

 

むくみも改善できる

シナモンに含まれるカリウムの効果で体内の余分な水分とともに老廃物の排出を促してくれるという効果があります。

 

リフレッシュ・疲労回復効果もあり

シナモンに含まれるオイゲノールにはリフレッシュ効果・疲労回復効果があるため、休憩中に飲むのにおすすめです。またリラックス効果のある紅茶と合わせて飲めば疲労回復効果との相乗効果が期待できるのでお休み前の1杯としてもおすすめです。

 

この他にも脂肪細胞を収縮される効果によるダイエット効果や含まれているアラキドン酸による悪玉コレステロールを減らす効果など、とにかくうれしい効能が盛りだくさんのありがたいハーブなのです!チャイのようなスパイスティーにしたり、シナモンパウダーをココアにちょい足しするのも冬ならではの楽しみ方だと思います。

 

 

ただしシンナムアルデヒドは胎児に影響を及ぼすというデータがあるため、妊娠中の方の摂取は避けましょう。また含有されるクマリンは過剰摂取すると肝機能障害を引き起こす可能性があるため多量に飲用するのはやめましょう。シナモンアレルギーがある方ももちろんNGです!

 

甘くスパイシーな香りに包まれて、ゆっくりと良い夢が見られますように。

次回は2021/12/30(木)22:00頃に更新予定です。