HERBTEA for MYSELF

美しい日本の四季×体に優しいハーブティーのお話

可憐な野草のパワーは絶大!ハコベで健康的に春支度

【七十二侯/立春・初侯】
東風解凍(はるかぜこおりをとく) 2/4~2/8頃

皆さまこんばんは。明日からは七十二侯「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」、春風が川や湖の氷を解かし始める頃とされています。”春風”とはいえ春本番ののんびりと穏やかな風とは違い、まだ冷たさの残る早春の風のことを指しますが、「東風(こち)が吹くと寒さが緩み、春を告げる」として喜ばれてきたのです。七十二侯のスタートにふさわしい名を持つ時期ですね!
この頃になると梅の花がちらほら咲いているのを見ることができる地域もあります。梅というとまさに早春のイメージ。そしてこの時期になると心躍るのが『春の新作』の文字!ファッションはさすがにまだ寒いかな~と思ってしまうのですが、春らしい色のアイシャドウやマニキュア・リップを見るとときめいてしまい、何かと誘惑が多い季節の到来です(注:個人差があります)。
マスク生活が長引き隠したままになっているお肌のコンディションもちょっと気になったりして……そんな時に救世主となってくれるのがこのハーブです。

 

ハコベ

 

以前投稿したセリと同じく春の七草としてもおなじみのハコベはナデシコ科ハコベ属の越年性(※越年性とは秋のうちに芽吹き、そのまま越冬して春に生長するサイクルの植物のこと)の一年草。寒い冬の間も明るいグリーンの新芽を出してひっそりと春を待っているのです。

 

 

 

ハコベの特徴は花径5mmほどのかわいらしい花。白く可憐な花弁が10枚……に見えますが、実はこれ、5枚の花びらが深いところで2つに裂けているためそのように見えるのだそうです。ラテン語で「星」という意味を持つハコベの学名「Stellaria」はこの星型に花をつけるところから来たようです。なんだかロマンチックですね!
ハコベ属の植物は世界に約120種存在しますが、日本でハコベと呼ばれているのはコハコベ・ミドリハコベ・ウシハコベの3種です。中でもコハコベは古くから民間療法の生薬としても利用されてきたのです。

 

代謝を促進、尿路感染症の予防効果

利尿作用があるカリウムや体液循環機能のあるマグネシウムなどが含まれるため、代謝アップが期待できるハーブです。またサポニンがカリウムと同じ利尿作用の他、殺菌・抗菌効果を持つとされるため、膀胱炎などの尿路感染症の予防や改善効果が期待できます。

 

血液もサラサラに、むくみや血栓の予防にも

クマリンには血液凝固を防ぐ働きがあるため、血液をサラサラにする=血行促進効果によりむくみの予防に繋がるとされています。血栓の予防にもなる効果にも効果的なのだそうです!

 

デトックス効果も絶大!

食物繊維や葉緑素(クロロフィル)を含むため、余分な脂質を体外に排出したり腸を刺激して排便を促してくれるため便秘の解消にも効果あり!特に葉緑素は小腸内のひだ(繊毛)の隙間まで入り込んでしっかり腸内のお掃除をしてくれるので、より細かい老廃物の排出・より高いデトックス効果にも期待できます。

 

他にも胃粘膜の保護やコレステロールを低減する働き・貧血改善の効果等もあると言われています。可憐な見た目の割に頼もしい効果がいっぱいですね……!
ハコベ茶の青臭さが気になる方はミント系のハーブとのブレンドがおすすめです。

 

 

 

ハコベは飲用だけでなくちょっと変わった使われ方があるのですが、なんと『歯磨き粉』として”ハコベ塩”をつかうというもの。粗塩をフライパンで炒りながらハコベのしぼり汁を加え、緑色の粉末になるまで炒り続ければでき上がり。使い続けることで歯茎の色が良くなり、葉の表面がつるつるになるのだとか。ちなみに使用量は少しで良いそうです(確かに主成分が塩ですもんね)。
またハコベを植物油に2週間ほど漬けて成分を浸出させたオイルは肌荒れや湿疹に、生葉を煎じて取り出した液は化粧水としても利用できます。
お茶でデトックス、歯磨きでお口の健康をキープ、オイルや化粧水で肌トラブルを回避。マスクの下で着々と春を迎える準備ができそうですね!

春一番が吹く前に春の支度を整えつつ、ゆっくりと良い夢が見られますように。

次回は2022/2/8(火)22:00頃に更新予定です。